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(2019年5月時点では、3年前の記事なので少し変わっている点はありますが…あまり変わってないかと思います。)
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今、就職先に塾講師はオススメできない
今回は、数学科の学生のメジャーな進路の一つである塾講師について述べる。
学生時代のアルバイトとして、
時給が高い方なので人気がある。
そのまま就職してしまう人も少なくない。
しかし、ハッキリ言って、
就職すること関して
塾講師はオススメできない。
業界も講師も今後ますます二極化していくということが考えられるからである。
塾の授業スタイルとしては、
・一斉授業方式
・個別指導方式
がある。
一斉授業方式は誰も小学校や中学校で経験したことあると思うが、数十人の生徒に対して1人の先生が授業をするという方式である。
この方式の良い点としては、
黒板の前の1回のプレゼンテーションで多くの生徒に解説することができることである。
ここで考えてみてほしい。
生徒との対話をしながら授業を進めていくのが理想ではある。しかし、実際には一方的にプレゼンを生徒に見せていることがほとんどであり、キャッチボールのような対話をしながらの授業など現実的にはほとんどない。授業の良し悪しはほぼプレゼンの良し悪しにかかっている。
つまり、一斉授業方式における優れた塾講師とは、良いプレゼンができる塾講師とも考えられる。
優れた塾講師の授業は録画され、映像授業として全国の生徒達の元へ届けられるようになる。その例として代々木ゼミナールや東進がある。
今では、中堅の塾でもエース級の塾講師の授業を録画した映像授業を使うようになってきた。中には、映像授業を他社から購入し、生徒の管理だけをしている塾もある位だ。
映像授業の良い点として、
・教室を担当する講師の腕に左右されず、一律に質の高い授業を提供できる。
・データさえあれば、生徒一人一人の都合に合わせて授業を受講させることが可能である。
という点が挙げられる。
だからこそ、映像授業化は今後ますます加速していき、一斉授業方式の塾講師の競争が激化していくことが考えられる。
256の塾にアンケートをした結果、44%の塾が既に映像授業を導入しているというアンケート結果もある。http://www.manavinet.com/special/1101/no1.html
では、個別指導はどうなのかというと…
個別指導は一度に教えられる学生が少ないために、給料がかなり低くなることが考えられる。経験から言って、一日に稼いで1万円というところだろう。個別指導のほとんどが、現役の学生を相手にするために平日は17:00〜22:00という限られた時間帯の中でしか授業ができないのだ。
以上のことから、
少子化、授業の映像化によって、
業界と塾講師の二極化が進むことが予想できるので、これから就職活動をする学生の進路として塾講師はオススメしない。
つづく
数学科の就職事情2
数学科の就職事情1のつづき
修士課程に進学する数学科の学生の就職力は、修士課程という学歴面に関しては、
(A)内部進学or外部進学
(B)数学専攻or非数学専攻
(C)研究内容
の3点で変わってくる。
(A)に関して言えば、学部入試でより難関と言われていた大学の修士課程に進学した方が現実的に就職には有利である。
なぜならば、
・企業の説明会などが大学別に行われることもある。
・リクルーターの接触回数が大学によって異なる。
・企業からの推薦枠は各大学の専攻毎に割り振られ、より難関と言われる大学の方が企業数も推薦枠も多い。
という理由からである。
2chの学歴板などのネット上の他人に学歴ロンダリングと言われようが、普通に就職するならばロンダした方が良いのは明らかである(教授が強いコネを持っているとかの場合を除く)。というか、履歴書には学部の大学もしっかり書かないといけないので、マネーロンダリングと違って、経歴が綺麗になるわけではない。関東であれば東大・東工大、関西であれば京大・阪大の修士課程に進学するのが理想である。
(B)に関しては、
数学科から数学専攻にそのまま進学するよりも、非数学専攻に進学した方が進路の幅が広がる。
数学科からの進路としては、
理系では情報系、経営工学系、物理系、文系では経済系、社会系などがある。
中でも、情報系は進路の幅が広い。
実は、数学科の進路の幅は修士課程への進学に関してはかなり広いと言える。数学はあらゆる学問で使われているので、当然といえば当然かもしれない。
実際に、数学科での推薦企業数が20社前後であったのに対して、修士から進学した大学の情報系の推薦企業数は150社前後であった。情報系の場合、トヨタ自動車やNTT研究所なども推薦企業に入ってくる。ちなみに所属していた専攻では、トヨタの推薦が余っていた。
数学科から非数学専攻に行こうとすると、数学科の友達から脱藩浪士を見るような目で見られることもある。しかし、友達の反応と自分がこれから支えることになる未来の家族の幸せを天秤にかければ、社会を知らない友達の気紛れな反応など考慮するに値しない。どれだけ本気で将来のことを考えていて情報収集などをしているのか聞いてみると、実際には何も考えておらず、そのまま惰性で数学専攻に進学しているパターンの人も少なくない。
(C)に関しては、
考えている進路に合わせて研究テーマを設定し、その上で研究室を選ぶのがベストである。修士課程の2年間を職歴としてみなすとウチの会社の人事は言っているし、採用面接でもなぜその研究テーマで研究しているのかを深く聞かれたりもする。
数学をやることにより、論理的に物事を考えられるようになるというのもあるが、正直言って論理的に物事を考える力が養われるのは数学に限らない。
数学専攻でそのままやっていくにしても、なぜその研究テーマで研究しているのかをよく考えた方がいい。
大学院に進学する理由をしっかりと考えて、情報収集をしながら、キャリアに合った進路を選ぶのが賢い学生の在り方だと思う。